KPTふりかえり 体験ワークショップ に参加してきました
ワークショップイベントの参加レポート。
- 4/16(水)
に上野の永和システムマネジメントさんで行われた「KPTふりかえり 体験ワークショップ」に参加してきました。
ワークショップの詳細はこちら。
講師は
- 作者: 天野勝
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2013/08/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
の著者でもある天野さんで、ワークショップの内容は以下のような感じです。
目的
- KPTふりかえりを体験し、どのような場面で使うかを検討できるようになる
目標
プログラム
- KPTふりかえりの基礎知識 [座学]
- KPTふりかえりの進め方 [グループワークショップ]
- 気づきの共有 [グループディスカッション]
- ワークショップでの体験を通して、学んだことの整理
- 個人で整理した学びをもとに、グループ内でディスカッション(学びの深堀り)
- 講師とのディスカッション(不明点の解消)
- 現場への持ち帰りの検討 [個人ワークショップ]
- ワークショップを通して学んだことを、現場でどのように活用するか
- 講師とのディスカッション(不明点の解消)
KPTの概要
- Keep
- Problem
- Try
の観点で、物事を整理する「思考フレームワーク」で"けぷと"と発音する("けーぴーてぃー"と呼ぶ人もいる)。ふりかえりのシーンで良く利用される。
K(eep), P(roblem), T(ry) の意味
- Keep
- うまくいったので次も続けたいこと
- 前回のふりかえりのTryがあれば、それを次も続けるかを検討する
- 意外と難しい(繰り返すとなかなか出てこない)
- Problem
- 不満に感じていること、工夫の余地がありそうなこと
- 将来的に発生しそうだと思うこと
- 「~してない」は行動の否定になるので、発言には注意する
- Try
- Keepに対してよりよくなりそうな改善策を検討する
- Problemに対して改善策を検討する
- やってみたらうまくいく予感がすることを挙げる
- ジャストアイデアでもOK
- 「試す内容」について合意する
- すべてのTryを実施する必要はない
- 行動可能なものを選ぶ
- 「しっかり」とか「ちゃんと」は具体的な行動につながりにくいので要注意
KPTのステップ
- 続けたいこと、良かったこと(Keep)をどんな些細な事で良いから書く
- 不満点、問題点などの要改善点(Problem)を書く(ここは比較的出やすいトコロです)
- 「1.」で挙がったKeepのポイントについてより強化する改善策を考える
- 「2.」で挙がったProblemに効きそうな改善策を考える
- Tryを実施するに当たり、工夫したいことを話し合う
- Tryの中で実践することを選択し、参加メンバー全員で合意する
今まで実施していたKPTでは「Problemに対するTry」を基本的に考えていて、「Keepを強化するTry」という観点が弱かった事に気付かされました。「あぁ、なるほどー」という感じで、目からウロコでした。
「ふりかえり」って何?
「ふりかえり」の効果
- 対話の場を作る
- メンバー間で話しやすくなる
- ナレッジの共有
- 個人の暗黙知が表出され、他メンバーへ共有・蓄積される
- チームビルディング
- チームの行動規範となり、一体感が生まれる
- アイデアの創発
- 質の高いアイデアが生まれやすくなる
- チームとして前向きな思考になる
- コーチング
- 目標達成へ向けて自主性が増す
- 行動への動機付けがされ、モチベーションが高まる
ワークショップ
ココは「特許の関係がある」と仰っていたので、内容は伏せておきます。
概要だけお話をすると
- 「とあるゲーム」をチームで行う
- ゲームを実施した後で「ふりかえり」を行う
- 「1.」と「2.」を繰り返す
という感じです。
「単純じゃねぇか!」とツッコまれそうですが、不思議なことにKPTふりかえりの効果を存分に体験できる内容になっていて、とっても楽しく学習できる素晴らしい内容だったと書かせていただきます。気になる方は コチラ をチェックしておくと、定期的にイベントの案内があると思いますので、参加してみてください!(参加者の声に自分の感想も載っていますw)
KPTふりかえり(オススメの進め方)
- 進行役を決める
- 毎回別の人が良い
- "テーマ"、"Keep"、"Problem"、"Try" のエリアを区切る
- "テーマ"を決める
- プロジェクトの振り返りとかの場合はテーマはナシでも良い
- 各自、Keep、Problemについて思うことをフセンに書く
- 後で議論する時間はあるので、無言で書く
- KPTエリアの前に全員集まる
- ホワイトボードが良い
- Keepについて、順に1枚ずつフセンを読み上げながら貼る
- 「順に1枚ずつ」というのが非常に大きなポイント
- 順に1枚ずつ話すことで、メンバーに与えられる時間がほぼ均一になる
- 通常の会議などでは、特定のメンバーが長く話したり、意見をなかなか言えないメンバーがいたりするので、なかなか「全員で参加している」という感覚を得にくいが、この方法なら、ほぼ確実に「全員が参加している感」を得られる
- ProblemについてもKeepと同様に共有する
- Problemを話していると、ついついTryの話に向かいがちなので、ここはグッとガマンしてProblem(問題の共有)の発散に集中して、Try(改善案)についての議論は次の時間にとっておく
- 席に戻る
- Tryについて思うことをフセンに書く
- 「他人が書いたKeep/Problem」に対してのTryを優先して考える
- Innocentな意見、奇抜な意見でも構わないので書いてみる
- KPTエリアの前に全員集まる
- TryについてもKeep, Problemと同様に共有する
- どのKeep/Problemに対応するかがわかるように、付近に貼る
- 次に実施するTryを選択し、合意する
- 「次はコレをやってみましょう」、「コレは保留にしましょう」とやるものとやらないものをハッキリと分別する
KPTふりかえりの2つのアプローチ(解決志向型と原因追求型)
- 解決志向型
- 概要
- 問題を共有し、何かしらの解決策を出すことを目的とし、問題の原因の追求は行わない
- メリット
- 素早く実施することができる
- デメリット
- 同じ原因による問題が発生する可能性がある
- 概要
原因追求型
- 概要
- 問題を発生させている、その真因を深堀りする
- メリット
- 真因を取り除ければ、問題は二度と発生しなくなる
- デメリット
- とにかく時間がかかる
- 概要
オススメの実施方法
- 初めのうちのふりかえりでは解決志向型で実施する。
そのうちにサイクルを回しても解決できない問題が発生したら、その問題にスコープを絞って原因追求型でふりかえりを行う
- 初めのうちのふりかえりでは解決志向型で実施する。
開催頻度(定期開催と臨時開催)
定期開催
- タイマー駆動
- スケジュールに組み込んで、短い時間でふりかえる
- リズムを作る(定時、定時間)
臨時開催
- イベント駆動
- 必要に応じて開催
- 時間や参加者は扱うテーマによって決定する
実施タイミング
- 「プロジェクトの終わり」とかではなく、プロジェクト進行途中も定期的(2週間とか1ヶ月とかの頻度)にふりかえりを行った方が、扱う問題を小さくでき、ノウハウを活用しやすくなる
所感
個人的に大きな発見だったのは
- フセンを貼りながら順番に話すことで、メンバーが話す時間を均一化できる
- Keep, Problemについて共有しているときはTryについては話さない
- 成功体験を得ることでKPTふりかえりに対する理解が深まり、実践しやすくなる
- 短いサイクルでKPTふりかえりを繰り返すことで継続的改善ができる
という4点です。
今までのふりかえりではKeep, Problemについて書く時間の中でフセンを貼った後で「コレ書いたの誰~?」って感じでやっていたので、たくさん書いた人が話す時間が多くなったり、KJ法を使って同じ意見はまとめてしまったりしていたので、メンバー全員が均一に話すことができていなかったと感じました。
また、やはり成功体験を得るということは非常に大切だと感じました。KPTふりかえりの効果をメンバーが実体験を以って感じると、次のふりかえりがかなりやりやすくなると思いました。
ぜひ、似たような内容で社内でもワークショップイベントを実施してKPTに対する理解を深めて継続的改善を自然と行えるチームにしていきたいと感じた、とても良いイベントでした。
下の写真はさいごのふりかえりでチームのメンバーで「大事だと思ったこと、良かったこと」を書いたフセンをまとめたものです。