やる気を引き出す組織風土のつくり方@デブサミ2014(DevelopersSummit2014)
2/13(木)、14(火) に目黒の雅叙園で開催された「Developers Summit 2014」の参加レポート#7です。
やる気を引き出す組織風土のつくり方(藤田晋〔サイバーエージェント〕)
スライドは公開されていません(公開されたら、更新します)
ご存知、サイバーエージェント藤田社長による組織マネジメント(モチベーション、ルール、人事精度、体制などなど)に関するお話。2日目朝イチのセッションだったのですが、東急線が雪で遅延してしまい、10分くらい遅刻での参戦となってしまいました。。。
会社について
- やる気のある人が不思議なほど多い
- 幹部も事業も自社で育てるため、外部からヘッドハンティングなどはしない(自社の文化が大事)
- 大型買収もしない
前提
- 事業が成功して利益が出ていること
- 事業の成功に伴い、社員が正当な対価を得ていること
組織
- 男女比は7:3(理想は5:5)
- 女性比率が上がれば、モラルが保たれる
- 積極的に新卒採用を行っている
- 2013年度実績230名
- 新卒社員が入ると、不思議と組織が活性化する(若い社員のやる気に引っ張られるのかな、と勝手に解釈)
- ポジティブな社員がマジョリティ(そんな雰囲気はありますよね)
- マジョリティがポジティブ・ネガティブどちらであるかは非常に重要(人間は周りに影響されやすい)
- ネガティブを伝染させたがる人については人の目で見て早めに対処する
- 抜擢は実績以上に人格を重視する
- 人格者ではない人は組織を腐らせるため、人格を非常に重要視する
人事制度
CA8
- 2年毎に1-3名の取締役を入れ替える制度
- 若い取締役がいると、下のメンバーは上が詰まっていると感じる
- 若手のために枠を空けてあげる
- 副次効果として、取締役がよく働くようになった(抜けたくないから)
CAJJ
- 事業の規模によってJ5〜J1までの5段階でランクがわかれている
- 目標をわかりやすく設定する
- 撤退のルールがある(X年連続で減益、X年以内に黒字化できない 等)
- ルールがあると、撤退が決まってもある程度納得できるのでモチベーションダウンにつながらない
あした会議
- 取締役と選抜された社員がビジネスプランや課題解決を提案する合宿
- もちろんエンジニアも参加できる
- 役員会と同様に、決議までする(意思決定に参加できる)
- 役員が自分の部下の中でメンバーを選抜する
ユニークな人事制度
合宿
- 役員合宿、開発チームやプロジェクト合宿などの様々なメンバーで合宿をしている(会社としても推奨している)
- 中長期的な課題を解決する
- 場所が変われば、話が変わって今まで解決できていなかった問題がサクッと解決したりする(環境を変えることがとても大事)
- 副次効果として、飲み会で仲良って会社に戻ってくる
福利厚生
社風
社員総会
- 半年に1度全社員が集合して総会を行っている
- 表彰制度があり、演出にとても気を配っている(大袈裟過ぎず、みんなが羨むような)
- 総会費用は1回1000万以上かかっている
- 「がんばろう」と思える価値がある制度でなければ意味がない
社内ポスター・トピックス
- そのサービスが「盛り上がっている」という空気作りを大切にしている
- ブログ、SNSを積極的に活用する
- オープンにすることで、社員にプロセスを伝える(事業展開の1つのヒントになる)
飲みニュケーション
- なんだかんだいって大事
- 会社は結局わだかまるもの
- 成果を達成したら飲み会費用+翌日の半休を支給
社内結婚多い
- 腰を据えて働ける職場であることの証明
若手の抜擢
- 若手を抜擢することに対して怯まない
- 新卒入社の子会社取締役数42名
- 他の社員からのクレーム(何であいつなんですか?的な)もあったが、やり続ければ「変化に慣れる」
効果がありそうでないもの
- 離職率が低い → 低い会社は危ない(やる気のある社員にとって、働かない社員が給料をもらうことがストレスになる)
- ストック・オプション → タイミングによって優秀な社員がもらえなかったり、やめる理由になったりする
- 美人が多い → 浅はか過ぎる。。いるっちゃいるが、社員のモチベーションを継続的に上げられるわけではない
- にんじんボーナス(目標達成でXX万円的な)
- 仕事とプライベートの切り分け → 家と会社で「どちらが会社かわからない」くらいが理想
まとめ
- 自分の働きが会社に寄与している。その対価を得ている という意識が大切
- 社員のコンディションをちょいちょいチェックする
- 空気感は大事(ポジティブな人が多い空気感を大切にする)
- ネガティブが伝染することを早めにキャッチアップ、対処する
- サイバーエージェントはエンジニアを採用しています
所感
藤田さんのお話は今回が初めてだったのですが、お話の速度も丁度よく、一つ一つを丁寧に説明されているのに、くどさがなくてスッと耳に入り、腹落ちするような感覚でした。流石です。
内容についてですが、「公募異動制度」や「若手の抜擢」などのまさに「サイバーエージェントっぽい」制度や雰囲気の裏にある狙いや制度が作られた背景などを聞いて、とても説得力がある内容で「社員・文化・社風を本当に大切にしている」という感じが伝わってきました。
また、「ネガティブは蔓延するので早めに対処する」、「外部から採用するよりも、やめたくないと考えてもらうように心がける」など、やる気のある社員に対する会社としての姿勢が素晴らしく、一休の人事制度・文化にも取り込みたい部分が多々あり、非常に参考になりました。
エンジニア観点からすると、もともと技術力のある会社として認識はしていましたが、
- 「あした会議」で意思決定に参加する
- 「GEPPO」で定期的に自分のキャリアプランを見直せる
- 「CA8」で次代のビジネスサイドを目指す
などなど、キャリアの幅がかなり開けていることに感動しました。意思決定のスピードが本当に早くて、「事業の行く先に振り回される」という大変そう面もあるけど、その分やりがいのあるチャレンジングでエキサイティングな会社なのだと思いました。チャレンジしてみたい会社の1つだと感じた14日最初のセッションでした。